ドウェイン・ジョンソン

『ベイウォッチ』という「ひどすぎて逆に大好きになった」映画

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私としたことが、この話題に触れることをすっかり失念しておりました。そうです。ゴールデン・ラズベリー賞(ラジー賞)です。ラジー賞とは1年で最も最低な映画をアカデミー賞授賞式の前夜を狙って表彰するという、実にウィットに富んだ映画賞であります。今年は絵文字が主人公のアニメ映画『絵文字の国のジーン』が作品賞を含む最多4冠に輝いたのですが、私がより興味を惹かれましたのは、その作品のためだけに「ひどすぎて逆に大好きになったで賞」という新しい部門まで創設させてしまったベイウォッチ』という映画です。

私はこの映画を寡聞にして存じ上げていなかったのですが、そのタイトルの響きに言い知れぬ胸騒ぎを覚え、取るものも取り敢えずヤフってしまいました。

ベイウォッチ ブルーレイ+DVDセット (劇場版+完全版収録) [Blu-ray]

……このパッケージから放たれる、私の胸騒ぎを強く裏付けるかのような、

清々しいまでのクソ映画臭

アマゾンの商品ページにある内容紹介欄がさらに私の腹を筋肉痛へと誘います。

主演がドウェイン・ジョンソンという俳優兼プロレスラーで、「今度のヤツは闘うライフガード(水難救助隊)だ! ! 」というキャッチコピーは「闘ってないで救助しろよ!」と思わずツッコミたくなる爽快な代物です。「全米初登場3位のヒットを記録! 」という1位でもないのに「全米初登場」という文句を惜しげもなく使用するそのハートの強さに加え、もはやその出来には触れずに「出演者たちの肉体美にも注目! 」とビジュアルだけを売り込むその潔さは、私の心に一陣の清風を与えてくれました。

ちなみにどういったストーリーなのか梗概を一読してみます。「熱血ライフガードのミッチ・ブキャナン(ドウェイン・ジョンソン)が、生意気な新人ライフガードと衝突しながらも、ベイエリアの未来を脅かす犯罪計画にともに立ち向かっていく姿を描く」……。よくこれで企画が通ったなぁと呆れた半面、なるほど、この内容で全米3位は快挙なのかも知れないと、上記の謳い文句に一定の理解を示してしまう自分がいることも確かであります。

映画であるならフェアに文字ではなく映像を見て判断しようと、Blu-ray&DVDリリース特設サイトのPR動画を拝見したのですが、時節柄、主役のドウェイン・ジョンソンがどうしてもレスリングの栄和人監督に見えて仕方がありませんでした。動画が終わりますと、アマゾンの紹介ページには掲載されていなかった一文が私の目に飛び込んできました。

「ブルーレイには、アメリカの劇場公開時にも見られなかった映像が見られる完全版も収録!」

お、おう…

どうやら本当に、賞名に違わぬ「ひどすぎて逆に大好きになった」映画なのかも知れません。

ラジー賞の話題からスピリチュアル本編へと移る予定が、『ベイウォッチ』のパッケージのインパクトに加え、そのツッコミどころ満載の紹介文に思わず筆が走り過ぎてしまいました。ちなみに本稿は映画を鑑賞した上での、

映画評ではありません

ので、この作品に興味を抱かれた方はぜひ、鑑賞後の感想をお寄せください。

-ドウェイン・ジョンソン

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