読者の皆さま、暑中お見舞い申し上げます。それにしても何なんでしょうか、この連日の暑さは。岐阜県多治見市では40度を超えたそうで、私の住んでいる地域ですら暑さならぬ熱さで、もはやセミの鳴き声すら聞こえません。調べましたところ、セミは夏場にギャーギャーと喚くわりに暑さには弱いそうで、暑すぎると黙りこくってしまうそうです。これは人間に例えると、夏限定バンド「TUBE」が暑すぎるからと言って夏のツアーをドタキャンするに等しく、その存在意義を否定してしまう怠慢さであります。そんな怠け者のセミとは違い、私の知り合いに壊れたという理由だけで数年前から真夏でもエアコンを使用していない猛者がいます。
さすがに今年の暑さには観念しただろうと数日前に少し様子を伺ってみたのですが、驚くことにまだエアコンは放置のままらしく、一応私が彼の体調を気遣う言動を見せると、
「(暑さの)コツは掴んだ」
と、「心頭を滅却すれば火もまた涼し」と言いたげな言葉が返ってきました。おそらく彼は熱中症に侵されている可能性が大なので、皆さまもこのように手遅れにならないためにも、水分を十分に取るなど体調管理にはくれぐれもお気を付けください。
さて、今回は〇職としてではなく詩人「こまがんぼー」(雅号)として、皆さまが心待ちにしていたポエムを発表したいと思います。
「廃人~HAIJIN~」
朝起きて 私の部屋だと思い込む
私の在り処もないくせに
鞄持ち 願いも持って出社する
誰も頼んじゃいないのに
仕事中 頻りに頭を駆け巡る
金と異性と昼のメシ
ミスをして 怒られ自分に嫌悪湧く
自分の所在もないくせに
帰り道 ついてくるのは影と夢
夢を叶えちゃ夢じゃない
「自分=世界」 わかってますとも耳にタコ
それでもすぐに忘れちゃう
こんな世界 わかってますとも自作自演
それでも演出止められない
こんな日が 明日も続くと信じている
信じているから叶っちゃう
体の汚れは流せても
心の不足は流せない
今日も不足と添い寝する
夢の中までランデブー
寝ても覚めても叶わない
とうとう私も一線を越えてしまいました、ポエムニストとしての一線を。皆さんはこのポエムを詠んで、どういった心境になられましたでしょうか。ポエムは綴らないと宣言したそばからぶっこんできた私に呆れ、怒り、嘆き、中にはその内容に共感してしまった方がいらっしゃったかと思います。
しかし、このポエムのほとんどは壮大な前振りでありまして、着目して頂きたいところは最後の一文の「叶わない」であります。この「叶わない」というニュアンスはポエムで描写した廃人(エゴ)特有のものなのです。
誤解を恐れずに表現的な極論を申し上げますと、スピリチュアルでは「叶う」「叶わない」という言葉はありません。「叶っていない(状態がある)」「叶っている(状態がある)」しかないのです。なぜなら、「叶う」「叶わない」は実現する過程を想定するエゴにしか出てこない発想だからです。エゴから抜け出た「自分=世界」には過程はなく、あるのは状態(在り方)だけなので、願望を保持できないのです。
この「願望を保持できない」という言葉は達人の常套句なので業界歴の長い方であれば一度は耳にしたことがあるかと思いますが、私も廃人の頃は「コイツ、何言ってんだ」的な状態だったのですが、前述したように「自分=世界」に視点を変えればそうぶっ飛んだ話でもありません。
私が説明するまでもなく既に理解していらっしゃる方も多数いるかとは思いますが、今回はクイズという形で次回に持ち越したいと思います。ヒントは「鏡」です。